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皆さんこんにちは!
塩見木工所、更新担当の富山です。
目次
~スムーズな開閉と空間の質感を支える職人の技~
今回は、内装工事の中でも“空間の完成度”に大きく関わる建具工事について詳しくご紹介します。
建具とは、ドア・引き戸・障子・ふすま・サッシなど、空間の仕切りや出入口を形成する可動式の部材を指します。見た目の印象はもちろん、使いやすさ・防音性・断熱性などにも大きな影響を与える、非常に重要な仕上げ工事です。
とくに最近では、デザイン性の高い建具やバリアフリーに配慮した仕様など、機能性と美観を両立した建具が求められています。
まずは、使用場所や動線、空間デザインを考慮しながら、適切な建具の形式を選びます。
開き戸(片開き・両開き):最も一般的で、住宅のトイレや個室のドアなどに多く使用されます。
引き戸(片引き・引き違い・引き込み):開閉スペースが少なく、バリアフリーにも対応しやすいため、高齢者施設やリビングで人気。
折れ戸:収納スペースや脱衣所など、コンパクトに開閉できるのが特徴。
吊戸(上吊り式引き戸):下にレールがなく掃除がしやすいため、最近の住宅で人気です。
使いやすさはもちろんのこと、開閉のしやすさや耐久性にも注目して選定する必要があります。
建具の種類が決まったら、次は開口部の寸法・水平・垂直をミリ単位で調整します。
下地の狂いを修正し、建具枠を取り付ける準備を整える
枠の厚みや建物の構造体との取り合いをしっかりと計測
フローリングや壁材との境界部の納まりを事前に確認
わずかなズレが、扉のひっかかりや不自然な音の原因になるため、ここが最重要の工程のひとつです。
次に、実際の建具枠(木枠・アルミ枠など)を取り付け、丁番やレールを用いて本体を設置していきます。
レベルや垂直をチェックしながら仮止め → 本締め
扉がスムーズに開閉するように調整(隙間、戸当たり、遊びの確認)
引き戸の場合は戸車の高さ調整やストッパーの位置決めが重要
音鳴り・閉まりのスピードなど、細かい“動き”の仕上げにこだわる
木製建具や障子などの天然素材は、湿度や季節による伸縮や反りも想定して施工する必要があります。
最後に、開閉に関わる金物類の取り付けを行い、施工完了です。
ドアノブ・レバーハンドル・鍵
ソフトクローザーやドアストッパー
スライドレールやサッシのクッション材 など
使いやすさだけでなく、安全性やデザイン性にも直結するため、お客様の要望に合わせた選定と調整が求められます。
建具は、室内空間を快適に仕切り、空気・音・光をコントロールする役割を担っています。
開閉がスムーズでストレスがなく、美しく納まっているかどうか――それが、建物全体の“完成度”に大きく影響します。
だからこそ、職人の精密な調整と、現場に応じた柔軟な施工判断が不可欠なのです。
次回もお楽しみに!